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対龍山荘   京都建築巡礼

  • S.Yamauchi
  • 9月24日
  • 読了時間: 2分

 今年の夏前に私の師事する建築家の方と京都に建築巡礼の旅に出かけてきました。

対龍山荘は京都南禅寺の山門に通じる参道で明治28年山県有朋が山荘無隣庵を造園したそれより東方、金地院の西隣の地に薩摩藩出身の実業家・伊集院兼常の山荘があった、これを入手して初代市田称一郎が明治35年建設したものである。この地が南禅寺に対しているところから、山号に因んで山県有朋が「対龍山荘」と命名したものであるという。

 敷地は約3000坪、東境は金地院に接しており、西に表門を開く、門から真直ぐ玄関に至る。造園は無隣庵を手がけた小川弥兵衛(植治)で、大工棟梁は東京の島藤こと島田藤吉である。



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対龍山荘表門


玄関を入ると取次は四畳半、ここから左(北)に書院「対龍台」が接し、右方には内玄関台所、居間へ、東方には茶室、聚遠亭が連なっている。そして建物の裏に広大な林泉が横たわる。建物は南北に細長く、中央部(茶室・聚遠亭)が東へ突き出た形なので、庭も北部と西部に分かれ、さらにその東に上部庭園があつ。上部の北側には、野菜畠や稲田、水田が作られ水車小屋が設けられて。邸内で自給自足できるように計画されている。



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一部配置図・平面図



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茶室 待合



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茶室ヘは飛石を伝って行く趣向



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土間庇  庭に向かって深い軒と竹縁  桁は4.8寸の丸太で、東西3.5間、南北7間にわたり持放された見事な絞り丸太である。化粧屋根裏は、季節丸太の垂木にししいだ竹を網代に編んだものに平竹を打ち上げている。



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茶室三畳台目  道安囲茶室の躙口   柿葺屋根の簡素な外観である。



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茶室三畳台目  道安囲い点前座  まさに「陰影礼賛」



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池泉廻遊の庭   砂浜(船着場)



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池の北から大きく苑路が廻遊する別天地



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水車小屋   琵琶湖疏水



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上部庭園北部の野菜畠や稲田,水田



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内部造作  柱、内法材は栂材  いわゆる栂普請



2024年国の重要文化財に指定された対龍山荘、これまで非公開でしたが、現在の所有者である㈱ニトリホールディング似島会長の「広く多くの方々に対龍山荘を見て頂きたい」という熱意により2025年1月から建物も含めて見学できるようになりました。




 
 
 

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